創作ごった煮
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雪が降っていた。世界は淡く白い。
雲が光っているのか、雪が光っているのか。どうでもいい。
血が抜けているところだけが、じくじくと熱い。雪が暖かい。死ぬんだろうか。それでいい。
ヤツデウサギなんて、もう、いらない。
白一色に暈けていた視界を閉じる。音が薄れて、雪がすべてを吸い込む。
「……死にたいのか?」
近くかけられた少女の声。思わず眼を見開き、手を伸ばした。ヤツデウサギの手は、ひとを殺すためのものだ。
死んでもいいと思うのに、まだ人を殺す気なのか。
「おや、殺さないのか。」
少女は雪に映える黒色をしていた。闇のようだ。
光を全て吸い込んで、毅然と立っている。
「………いみが、ない」
少女の低く澄んだ声と比べて、自分の声のなんと弱弱しいことか。
雪が、彼女の黒が眩しい。
「ほう、ヤツデウサギにしては変わっているな。面白い。」
暖かな雪が、背中に積もっていく。埋まっていく。
少女がくつくつと笑う声だけが、雪に消されずに残っていた。
視界が霞み、黒が白に溶けていく。
「ルーカス、連れて帰るぞ」
「え、ええ?子供?」
「何か不満が?」
「いや、ないけど…」
***
シュトラウド
だれた
「……死にたいのか?」
近くかけられた少女の声。思わず眼を見開き、手を伸ばした。ヤツデウサギの手は、ひとを殺すためのものだ。
死んでもいいと思うのに、まだ人を殺す気なのか。
「おや、殺さないのか。」
少女は雪に映える黒色をしていた。闇のようだ。
光を全て吸い込んで、毅然と立っている。
「………いみが、ない」
少女の低く澄んだ声と比べて、自分の声のなんと弱弱しいことか。
雪が、彼女の黒が眩しい。
「ほう、ヤツデウサギにしては変わっているな。面白い。」
暖かな雪が、背中に積もっていく。埋まっていく。
少女がくつくつと笑う声だけが、雪に消されずに残っていた。
視界が霞み、黒が白に溶けていく。
「ルーカス、連れて帰るぞ」
「え、ええ?子供?」
「何か不満が?」
「いや、ないけど…」
***
シュトラウド
だれた
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